記憶の国のアリス

子育て終盤戦から瞬く間に母の介護へ移り変わった日々を綴ります。

家に帰れなくなったおばあさん

やっと自分のカラー をしに 美容室へ行った。

美容室に入った途端、 美容師さんが

『外のベンチに座っているおばあちゃん、9回もお店に入って来ているんです。 今日初めて来たおばあちゃんなんだけど、どうも家に帰れなくなってしまったみたい。どうしたらいいんでしょう。』

そのおばあさん、美容室に予約を入れてきたというわけではなく ふらっと現れたそうだ。

『今日は予約でいっぱいだから○○日なら予約できるよ。』

と言うと、 一度出て行って、そしてまた戻ってきてを繰り返しているそうだ。

11時に来て、行ったり来たりを9回繰り返して、その時は午後3時を過ぎていた。

一人で切り盛りしている美容室。通りがかりの人が心配して、本人に連絡先を聞いたり電話をしたり試行錯誤したけれど、どうもうまくいかなかったらしい。

もう夕方に近づいてきて風が寒くなってきた。

外のベンチにいたおばあさんがまた店内に入ってきた。

帰れなくて困っているという事は、自分からは言い出せないようで、美容師さんと

全くかみ合わない話をしている。

私と美容師さんは考えてあげく 近くの駐在さん(派出所)に電話をしようということになった。

『駐在さんを呼んだから、しばらくソファーで座っていて。』美容師さんが言うと

おばあさんは少しほっとしたような表情だった。

『お店に迷惑かけたね ありがとうね。』 

『お巡りさんが来るなんて 大事になっちゃって恥ずかしいわね。』 と何度もおっしゃっていた。

美容師さんが待ってる間にお茶でもどうぞと勧めたけれど おばあさんは、迷惑かけちゃう し申し訳ないからと断っていた

駐在さんは10分ぐらいで、 ミニパトカーで来てくれた。家はどこ?とか何か 身分証明書みたいなの 持ってない?とか色々聞いていた。

身分証明書みたいなものは、何も持っていなくて、でも 上着のポケットに住所と電話番号を書いた紙が入っていたそうだ。

生年月日と名前は スラスラと答えられており ご主人の名前や娘さんの名前もすらすら駐在さんに伝えていた。

駐在さんは住所が分かったから、大丈夫。

あとはご家族が帰ってきてから自宅に帰ってもらいますね。取り敢えず駐在所に行きます。

と言って ミニパトに おばあちゃんを乗せて去って行った。 

美容師さんと一緒に胸をなでおろした。

美容師さん曰く こんなこと初めてでどうしたらいいかわからなかった 。怖かったと言っていた。まだ、40代の美容師さん。私も40代で認知症とはどんなものが分からなかったらどうすればいいかわからなかったかもしれない。

このおばちゃん、生年月日から分かったが79才。細身で、まだシャキシャキ歩かれる身軽な感じ。自宅からかなりの距離を歩いて来られたようだった。

認知症の母の一人暮らしが急に不安になった。

所で、私のカラーは少し塗り始めてからのすったもんだで、

少しまだらに濃くなってした。

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